概要

昭和33年「大阪市身体障害者団体協議会」が結成され、その支部として「西区身体障害者団体協議会」(区身協)を設立しました。

当団体は、身体(肢体・聴覚・視覚)に障がいがある当事者による当事者のためのセルフヘルプグループ(自助団体)です。

当団体は、障がい者の※1「完全参加と平等」のために、地域での自立と社会参加の実現を目指し、自らの暮らしを自らの手でより良くすることを目的として活動しています。

まだまだ社会に知られていない身体障がい者の存在をアピールし、地域への啓発と理解を広げると共に、地域で孤立している身体障がい者の幅広い社会活動への参加を目指し、自立生活や就労などの生活相談、そして身体障がい者の権利を擁護し、生活向上を目指した様々な情報を発信する活動を行っています。

当団体は、「大阪市身体障害者団体協議会」の活動と共に、「大阪市西区役所」、「大阪市西区社会福祉協議会」などの公的機関、「身体障がい・知的障がい・精神障がい」に関係する機関や団体とネットワークを組み連携しながら、障がい者の人権擁護や地域に向けて障がいの理解を深める活動を行っています。

主な活動内容

●身体障がいがある方への相談支援
 ・ピアカウンセリング
 ・障がい者相談
 ・人権擁護支援
●社会参加促進及び会員間の親睦
 ・新年会
 ・社会見学会(年2回程度)
●区政への参加
 ・街のバリアフリー点検
 ・区役所との意見交換
●障がいの理解のための啓発
 ・講演
 ・手話教室開催
 ・小中学校での福祉教育
 ・人権週間啓発活動
 ・障がい者週間啓発活動
 ・セミナー開催
●地域交流
 ・西区障がい者•児ネットワーク「そよかぜ」
※(西区内の障がい (知的・精神・身体) に関係する事業所等で結成した団体)としての活動
 ・区民まつりへの参加
 ・手話体験や車いす体験
●障がいに関する社会資源などの情報発信
 ・機関誌「区身協だより」発行
 ・セミナーなどの案内

理念

私たちは、※2「ノーマライゼーション」の理念のもと、”だれもが等しく生きられる社会”の実現を目指しています。※3「私たち抜きに私たちのことを決めないで」を実現すべく、住みやすいまちを私たちの手でつくりたいという思いで活動しています。

私たちにもできることがある!
私たちにしかできないことがある!
私たちだからこそできることがある!

虹はそれぞれがその色をたもって、輝き合っているからこそ美しいのです。

虹のように、そのままの個性をたもち、そのままの個性を尊重しあって、みんなが暮らしやすい豊かなまちにしよう!

障がいがあっても、ふつうの市民と同じようにあたりまえに地域で暮らそう!!

みんなちがってあたりまえ!
みんなちがってみんないい!
みんなちがってみんないっしょ!

※1 完全参加と平等とは、

国連が、障がい者の社会生活の保証・参加のための国際的努力の推進を目的として、『完全参加と平等』をテーマに掲げ、1981年を「国際障害者年」とすることを決議した。

障がい者は,その社会の生活と発展に全面的に参加し,他の市民と同様の生活条件を享受し,生活条件向上の成果を等しく受ける権利を持つとし、(1)障がい者の身体的、精神的な社会適合の援助 (2)就労の機会保障 (3)日常生活への参加の促進 (4)社会参加権の周知徹底のための社会教育と情報の提供 (5)国際障害者年の目的の実施のための措置と方法の確立などを掲げた。

※2ノーマライゼーションとは、

ナチスを批判する記事を書いて収容所にいれられた経験のあるバンク・ミケルセンが大規模入所施設で暮らす知的障害者の現状を知り、その暮らしがあまにも異常(アブノーマル)で非人間的だと感じ、知的障害者の暮らしをノーマルにしなければならならないという理念をノーマライゼーションということばを使って社会に訴えた。

その後、ベンクト・ニィリエがノーマライゼーションを実現すべく、具体的に8つの原則を発表した。

①一日のノーマルなリズム
朝起きてから、夜寝るまでずっと同じ部屋、ずっと同じ場所、ずっと同じ服で過ごすことがないようにすること。
一日の中で頑張る時間、楽しむ時間、休む時間があり、当たりまえの時間に食事をすること。
②一週間のノーマルなリズム
毎日が日曜日のようではなく、休日を心待ちにして頑張る日・余暇を楽しむ日・心身を休める日など変化のある一週間にすること
③一年間のノーマルなリズム
季節を感じる食事・服装・行事や長い休み・誕生日などのイベントで一年を実感できるようにすること。
④ライフサイクルにおけるノーマルな発達的経験
それぞれの時期に発達のための当たりまえの経験(学校・旅行・恋愛・仕事・勉強・遊び・けんか・我慢・反抗・達成感・幸福感・自立心・挫折・責任感・おしゃれ)をする機会をもち、それを通して知識を得、当たりまえの成長の過程をたどれるようにすること。
⑤ノーマルな個人の尊厳と自己決定
衣・食・住・仕事・趣味など本人の望む生活を認め、尊重すること。
⑥その文化におけるノーマルな性的関係
男性・女性どちらもいる環境にすること。
⑦その社会におけるノーマルな経済水準とそれを得る権利
平均的経済水準を保証されること。
自分で自由に使えるお金があること。
⑧その地域におけるノーマルな環境形態と水準
地域から孤立しないよう、大人数の住む大きな施設ではなく、その地域にとけ込んだふつうの家に住むこと。
地域との関わりが自然に生まれるような家に住むこと。

現在では、知的障がい者の暮らしのみならず、身体障がい者や精神全障がい者そして、高齢者や児童の暮らしにまでノーマライゼーションが広がっている。

※3 私たち抜きに私たちのことを決めないでとは、

1970年代はじめにアメリカで、障がいのある学生たちが中心となって行われた「自立生活運動(IL運動)」のスローガンとして『私たちのことを私たち抜きに決めないで(Nothing about Us ,Without Us )』ということばが使われた。

彼らは、「障がいがあっても、自分の人生を自立して生きる」と主張し、介護の便宜のため施設に収容されて、その中での与えられた毎日の生活を拒否して、「障がい者のニーズがどのようなものか、そのニーズにどう応えるのかを最も知っているのは障がい者自身である」とし、自立生活運動を行った。

この自立生活運動は、全米に広がり障がい者を健常者に近づけるための医学モデルで行われていたリハビリテーションから、障がいがあっても自立した社会生活がおくれるようにするため、社会のバリアフリー化や、介助に必要なサービスを利用し、自己決定していく社会モデルのリハビリテーションへと一変させた。

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